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『光・緑・大地』

 

光は現実を吹き飛ばすもの、大地は受け止めるもの。その大地にはどんな衝撃をも吸収する緑がある。

私にとっての『緑』とは自然の象徴だ。時に植物に、水に、その形を変えて存在する。

大地の上で私たちは動物は、例えば記憶のようにとても頼りなく不確かだ。

 

"Sunlight-Green-Earth"

 

The sunlight erases the reality and the earth receives it.

There is "Green" that absorbs any impact on the earth.

"Green" for me is a symbol of nature. It transforms to plants, water and various things.

We animals are uncertain like the memory on the earth.

 

2010.12 戸沢佳代子

 

『The Light of Australia』

  

以前、少しの間暮らしていたオーストラリアで感じた興奮と違和感。それは様々な民族が集まる国特有の様々な生活習慣の違いからくるものであり、自分がそのどこに根を生やしているのかがよくわからない、浮遊感によるものだと思う。

 

日本の紫外線の8倍とも言われるオーストラリアの陽射しは私にとって“違和感”を表す象徴的な存在と考える。その強烈な光は全てのものを美しく照らし出す。

日本とは全く違った見え方をする木々や植物、人の肌、髪、湿度の低い国ならではのポップな色の建物、そして濃い青い空。日常の中、その光が作り出す色の美しさに私は何度も目を奪われ、立ち止まった。

しかし、本当にそこにあったものは美しかったのだろうか・・。

 

全てのもの(ともすれば近づけば醜いものまで)を美しく見せる光は、私が憧れのような思いを抱いていた西洋人の髪や肌の色、生活習慣と実際に接したときに感じたギャップに重なる。

光の中に存在したものを描くことによって、私がそこで目がくらみそうになりながら本当に見ていたものは何だったのか、それを探りたいと思う。

 

戸沢佳代子